市販のアロマスプレーで熱帯感染症、米CDCがリコール対象拡大
(CNN) 米国で死者が出ている類鼻疽(るいびそ)と呼ばれる熱帯感染症との関連が判明した市販のアロマスプレーについて、米疾病対策センター(CDC)がリコールの対象を拡大した。
類鼻疽は診断が難しいことから、医師に対しては問題のスプレーを使ったかどうか患者に尋ねるよう呼びかけている。
CDCは先月、ジョージア州で類鼻疽に感染した患者が死亡した症例について、小売り大手ウォルマートで販売されていたアロマスプレーが原因だったことを突き止めた。カンザス、ミネソタ、テキサスの3州で確認された3症例についても、遺伝子解析でジョージア州の症例との関係が判明。カンザス州の患者も死亡していた。
類鼻疽は通常は海外渡航と関係する症例だが、今回の感染者はいずれも渡航歴がなかった。調査の結果、問題のスプレーはインドで製造されていたことが判明。CDCは、同じブランドで販売されていた別の香りのアロマスプレー5種類についても類鼻疽の検査を行っている。
問題の製品は今年2月から10月21日にかけてウォルマートのネット通販経由で全米に販売され、ウォルマートの一部店舗でも流通していた。
米消費者製品安全委員会によると、今週に入って5つの香りがリコール対象に追加され、対象製品は合計3900本になった。
CDCは医師に対し、高熱や頭痛などを伴う感染症の症状や、肝臓、肺、脾臓(ひぞう)、前立腺の膿瘍(のうよう)に注意するよう勧告。患者が問題の製品をスプレーした部屋に入ったり、ボトルから直接においをかいだり吸い込んだり、スプレーした枕カバーやシーツなどに接触していないかどうか尋ねる必要があるとした。
購入した人に対しては、「直ちに使用を中止すること。ボトルを開けてはいけない。普通のごみとして捨てたり破棄したりしてはいけない」と呼びかけている。