アフリカ、若きチェス指導者たちの情熱 次代のグランドマスター育てる
(CNN) ナイジェリアの商業中心地ラゴスにある水上のスラム街マココのキャノピー(張り出し屋根)の下に8歳から18歳までの10人以上の子どもたちが集まり、目の前のチェス盤に集中している。
このチェストーナメントを監督しているのはチェスの名人トゥンデ・オナコヤ氏(26)だ。オナコヤ氏と非営利組織チェス・イン・スラムズ・アフリカのチームは毎週、低所得者が住む地域で子どもたちにチェスを教えている。
2018年にオナコヤ氏が設立したこの組織は、特に教育を受ける機会に恵まれない貧しい地域の子どもたちを対象にチェスの指導を行っているという。オナコヤ氏は子どもたちに、チェスをプレーすることにより、スラムでの貧しい生活から抜け出すチャンスをつかんでほしいと願っている。
スラムで暮らす子どもたちの生活環境や才能に関するオナコヤ氏の投稿がソーシャルメディア上で広まり、資金提供者や子どもたちの幸福を願う人々の注目を集めており、最近、ラゴス州知事の目にも留まった。オナコヤ氏によると、これまでに約12人の子どもたちがソーシャルメディアを通じて奨学金を獲得したという。
チェスの普及活動
アフリカでチェスの普及に取り組んでいるのはオナコヤ氏と彼のチームだけではない。
アフリカチェス連盟によると、アフリカには実力のあるチェスコミュニティーがある国が46カ国存在するという。アフリカでは14年以降、アルジェリア、南アフリカ、エジプトの3カ国からチェス選手の最高位のタイトルであるグランドマスターが計6人誕生している。