ジャンプ台の背後に原発が? 北京五輪のスキー競技場に注目
北京(CNN) 北京で開かれている冬季オリンピックで、スキージャンプ会場の首鋼ビッグエア競技場が注目を集めている。
選手たちが滑降する高さ60メートルのジャンプ台。その背後には、溶鉱炉と煙突、冷却塔がそびえ立つ。この地はかつての製鋼所で、何十年にもわたって北京の悪名高い大気汚染を発生させてきた。
1919年に創設された製鋼所は、2008年に北京で開かれた夏季オリンピックを控え、大気汚染対策の一環として15年以上前に操業を停止した。
これによって市中心部に広大な土地が残され、土木設計会社のARUPが再開発を行って、観光や芸術展の中心地に転換させた。
しかし、さび付いて老朽化した製鋼所の残存施設は、冬季オリンピックのジャンプ台が建設されても解体されず、首鋼スキージャンプ台のデザインに取り入れられた。冷却塔のうち1棟には大会のロゴがあしらわれている。
首鋼ビッグエア競技場は冷却塔の西部にある昆明湖に面している/Fred Lee/Getty Images
このジャンプ台がSNSで注目されたのは、人工雪も理由の1つだったが、ジャンプ台の背後にそびえる冷却塔の存在や、こうした施設がまだ残っている理由に関心が集まったからでもあった。
ツイッターではこの施設について、原子力発電所のように見えるという声が相次ぎ、「オリンピックのビッグエア競技場はスプリングフィールド原子力発電所の真隣にあるみたい」「ビッグエア競技場の背後に原子力施設があるのはかなりディストピアな感じ」などの投稿もあった。
設計会社によると、首鋼ビッグエアは世界で初めて長期的な利用を想定して建設された常設のビッグエア競技場で、冷却塔の西部にある昆明湖に面している。