世界ヘビー級王者のプロボクサー、母国ウクライナに戻り抗戦参加
(CNN) プロボクシングの世界ヘビー級王者であるオレクサンドル・ウシクさん(35)は3日までに、ロシアの侵攻を受けた母国ウクライナを守るために帰国し、武器を取って戦う準備をしていることを明らかにした。
首都キエフの建物地下室にいた際、CNNの取材に述べた。祖国へ戻った理由を問われ、「なぜとどうして尋ねるのか?」とし、「家や家族を守るのが私の義務」「しなければならないのだ」と言い切った。
「誰も殺したくはないが、自身と愛する者たちを守るために必要なことはやる」とも強調。怖くはないかの質問には「私の魂は神に属し、体と名誉は母国と家族に属する。恐怖はない。全くない」と答えた。
ウシクさんの最後の試合は昨年9月、アンソニー・ジョシュア選手に判定勝ちし、王者に輝いた対戦だった。
ロシアのウクライナ侵攻に立ち向かうため武器を手にしているプロボクシングの世界王者はウシクさんのほかにもいる。首都キエフの市長で世界ヘビー級元王者のビタリ・クリチコ氏は1日、国の防衛に立ち上がったウクライナ市民を誇りに思うとし、これから起きる戦闘を同国の将来のための決戦と位置づけた。
ビタリ氏と、兄弟であり同じく世界ヘビー級の元王者だったウラジーミル・クリチコ氏は共に、ウクライナのための戦いに加わることを宣言している。ウラジーミル氏はボクシング界の殿堂入りも果たしている。