大坂なおみ選手に心ない野次、観客に涙ながらの訴え
(CNN) 女子テニスの大坂なおみ選手が米カリフォルニア州インディアンウェルズで行われたBNPパリバ・オープンで12日、観客から暴言を浴びせられた。
問題の観客は第1セット終了後、「ナオミ、最悪だ」と叫んだ様子だった。この言葉を聞いて、大坂選手はコート上で涙を浮かべた。
テニス・チャンネルによると、大坂選手は休憩時間中、場内放送で観客に注意を促すよう審判に求めたが、審判は応じなかった。暴言を浴びせた観客が特定され、退場させられたのかどうかは分かっていない。
大坂選手は0―6、4―6でストレート負けした。
インディアンウェルズでは2001年にも、セリーナ・ウィリアムズ選手、ビーナス・ウィリアムズ選手の姉妹と2人の父のリチャード・ウィリアムズさんが、観客から人種差別的な暴言を浴びせられたと訴えていた。
当時19歳だったセリーナ選手は決勝を制したものの、その後14年間、インディアンウェルズの大会には出場しなかった。
次のトーナメントではビーナス選手が記者会見で、「父が聞いたのと同じ言葉を聞いた」と証言した。
大坂選手は試合終了後、観客に向けて、声を詰まらせながらこの2001年の出来事に言及、「正直言うと、私は以前も暴言を浴びせられたことがあったけれど、それほど気にしなかった」「けれどここでは、ビーナスとセリーナ(ウィリアムズ姉妹)が暴言を浴びせられる映像を見ていた。まだ見たことがない人は見てほしい。理由は分からないけれど、それが私の頭に浮かんで何度も繰り返された」と語った。
コートを離れる前に大坂選手は観客に感謝の気持ちを伝え、試合を制したベロニカ・クデルメトワ選手に祝意を伝えた。