カタールW杯、アンバサダーの発言で物議 「同性愛は心の損傷」
(CNN) 今月20日から始まるサッカー・ワールドカップ(W杯)の開催国、カタールのアンバサダーで元同国代表選手のハリド・サルマン氏が7日、同性愛は「心の損傷」だと発言した。
首都ドーハ市内で収録された独ZDF放送とのインタビューで語った。この発言を受けて、W杯組織委員会のメンバーがただちにインタビューを止めた。
サルマン氏はこの中で、同性愛はイスラム法で禁止されていると指摘。「最も重要なのは、かれらの来訪をだれもが受け入れるだろうということ。一方でかれらも私たちのルールを受け入れる必要がある」「子どもたちが良くないことを学んでしまうかもしれない」などと述べた。
カタールでのW杯開催が決まった時から、性的少数者や出稼ぎ労働者の扱いを含む同国の人権状況を問題視する声は強かった。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのコックバーン経済・社会正義部長は、カタールにとっての第一歩はW杯開幕までに出稼ぎ労働者のための基金を設け、性的少数者が差別や嫌がらせに遭わないように守ることだと主張。W杯を実現するために何万人もの労働者が酷使されてきたとして、かれらの権利を忘れたり、無視したりしてはならないと強調した。