イラン、W杯からの米国追放を要求 SNSでの国旗表示めぐり
(CNN) 米国サッカー連盟(USSF)がSNS上でイラン国旗のデザインを変えて表示したことに対し、イラン側が米国をワールドカップ(W杯)から追放するべきだと主張している。
USSFのツイッター、インスタグラム、フェイスブックの公式アカウントには26日、W杯で同じBブロックのイランの国旗から、中央の国章を削除した画像が一時的に掲載された。
USSFは27日、CNNとのインタビューで、「イランで基本的人権を求めて戦う女性たちへの支持」を表明するため、24時間限定の予定で国旗の画像を加工したと説明した。連盟の公式サイトなどには引き続き本来のイラン国旗が表示され、SNS上のデザインもすでに元に戻されたという。
これに対してイランの政府系タスニム通信は27日、国旗改変が国際サッカー連盟(FIFA)のルールに違反するとして、米代表チームをW杯から追放し、10試合出場停止とするよう求めた。
イランと米国は29日に対戦する予定。決勝トーナメント進出を目指す米国にとって、負けられない試合となる。
米国サッカー連盟は、イラン国旗の国章を削除したものを一時投稿した/Instagram/AP
イランでは、髪を覆う布「ヒジャブ」の着用が不適切として風紀警察に拘束された女性の死をめぐる抗議デモが広がり、当局の弾圧に国際社会から批判が集まっている。
W杯のイラン代表チームをめぐっては、米代表のヘッドコーチを務めた経験もあるユルゲン・クリンスマン氏が25日、試合中の態度を「あれがかれらの文化で、かれらのやり方だ」などと批判し、カルロス・ケイロス監督はそれによく合っていると発言。ケイロス氏は「サッカーへの侮辱だ」と強く反発した。イランのサッカー連盟はクリンスマン氏に謝罪を求め、大会の技術研究グループから同氏を除名すべきだと主張している。