元フージーズのメンバーに有罪評決、中国を代理した活動など問われ
(CNN) 米ヒップホップグループ「フージーズ」の元メンバー、プラズ・ミシェル被告が26日、ワシントンの連邦地方裁判所で、国際的な共謀に関連する10の罪状で有罪評決を受けた。2人の現職大統領への接近も絡む事案だった。
ミシェル被告はマレーシアの実業家ジョー・ロウ被告と中国政府がオバマ、トランプ両大統領を含む米当局者に近づくのを支援する共謀で複数の罪に問われた。共謀は失敗に終わった。
被告は米国を欺く共謀、証言の改ざん、外国政府の未登録代理人としての活動で有罪となり、最大20年の禁錮刑を宣告される可能性がある。量刑言い渡しの日程は未定。
ミシェル被告は硬い表情で評決を聞き、裁判所前の記者団にはコメントを残さなかった。
被告の弁護士は評決に失望していると語り、審理無効の申し立てが有利に働くとの見方を示した。もし量刑の宣告に進めば上訴するとの構えを見せている。
ミシェル被告は先週、ロウ被告から2012年に2000万ドル(現在の為替レートで約27億円)の支払いを受けたと証言した。ロウ被告が当時のオバマ大統領と一緒に納まる写真を撮るのが目的だったという。
検察はミシェル被告がそのうち80万ドルあまりを多数の他人から献金させる形でオバマ陣営に流したと主張した。
ミシェル被告はこれに対し、ロウ被告の指示でその金を使ったことはなく、自分の望む形で利用したと反論した。
17年にトランプ政権が始まると、マレーシアの政府系ファンド「1MBD」からの数十億ドルの横領に絡んでロウ被告への捜査が本格化した。検察によれば、その際ロウ被告はミシェル被告に再び接触したという。
検察によると、ロウ被告はミシェル被告に1億ドル以上を送り、トランプ氏を含む米国政府にロウ被告に対する捜査を中止してもらうよう圧力をかける狙いがあったという。
検察はまた、ミシェル被告が中国政府を代理して、中国の反体制派、郭文貴被告(別件の投資家詐欺の事案で訴追)の強制送還を支援したとも主張した。
ミシェル被告はこれに対し、自分はロウ被告が米国で弁護士を探すのを手伝っただけだと反論。郭被告について当局に話をしたのは、郭被告が犯罪者だと思ったという理由以外はないと証言した。1億ドルに関してはメディア事業のための資金と説明し、ロウ被告からもらった投資金ではないとも主張した。
ロウ被告はミシェル被告とともに起訴されたが、現在は中国にいるとみられている。