中国当局、韓国人サッカー選手を拘束 収賄容疑
(CNN) 中国当局が国内リーグに所属する韓国人サッカー選手、孫準浩氏を収賄容疑で拘束したことが分かった。中国政府はサッカー界の上層部に汚職が広がっているとみて取り締まりを進めている。
中国外務省の汪文斌報道官の16日の説明によると、孫選手は12日、「国家機関の職員ではない人物から賄賂を受け取った疑い」で、北東部・遼寧省で公安当局により身柄を拘束された。
孫選手は中国スーパーリーグ(CSL)のクラブ、山東泰山に所属するミッドフィルダー。同クラブは2021年に国内のリーグ戦とカップ戦を制した。孫選手は韓国代表の一員でもあり、22年ワールドカップ(W杯)では決勝トーナメント進出を果たしている。
韓国外務省の報道官は16日、孫選手の状況については認識していると説明。現地の韓国外交使節が領事支援を提供していると明らかにした。個人情報保護法を理由にこれ以外の情報は明らかにしなかった。
汪氏によると、中国は韓国当局に領事業務の遂行に「必要な便宜」を提供しているという。
韓国サッカー協会は中国サッカー協会やアジアサッカー連盟に孫選手に関する書面を送ったが、返答はないとしている。
中国の環球時報によると、04年のCSL発足以来、外国人サッカー選手が捜査を受けたり拘束されたりするのは初めて。
中国政府はサッカー界の上層部に汚職が広がっているとみて摘発に乗り出しており、孫氏の拘束はその一環となる。
中国共産党の反腐敗機関はこのところ、中国サッカー協会の関係者を相次いで調査。その中には陳戌源主席(会長)や王登峰元副主席(副会長)らも含まれる。