「ロバート・デ・ニーロが親パレスチナデモと対峙」の動画拡散、実はドラマの撮影
(CNN) 全米の大学で続く親パレスチナの抗議デモに関連して、俳優のロバート・デ・ニーロがデモ参加者を怒鳴りつけているように見える動画がSNSで拡散した。しかし実際にはこの動画は、ニューヨークで撮影中のテレビドラマの一場面だったことが、CNNの取材で分かった。
SNSに投稿された動画の中で、デ・ニーロは「これは映画じゃない! バリケードの向こうへ行け。くだらない話が好きか? だったら家に帰れ!」と叫んでいる。
動画は親イスラエルのX(旧ツイッター)アカウントで4月30日から拡散。デ・ニーロがイスラエル側に立ち、親パレスチナのデモに立ち向かっているという説明が付いていた(動画にデモ参加者は映っていない)。
「あれは危険だ。彼らはまたやると言っている! 君たちはそれを望まない。我々は誰もそんなことを望まない。いいか、真剣になろう」。デ・ニーロがそう叫ぶ場面は編集されて、デ・ニーロがイスラム組織ハマスによる昨年10月7日のイスラエル攻撃のことを言っていると思わせる字幕が書き加えられていた。
しかしデ・ニーロの広報担当者はこの動画について「ネットフリックスのドラマ『ゼロ・デイ(原題)』の一場面で、ロバート・デ・ニーロは台本に書かれたせりふを読み上げている」とCNNに説明した。
ネットフリックス広報によれば、動画は4月27日のリハーサルで撮影された。背後には共演者の俳優ジェシー・プレモンスも映っている。
親イスラエルのアカウントやインフルエンサーの間で瞬く間に広まった動画は、5月1日には相次いで削除された。「ロバート・デ・ニーロが親パレスチナデモに立ち向かう」と報じたイスラエルのハアレツ紙の記事も削除された。