綱引き、ピストル対決、プードルの毛刈り? 五輪に採用された奇妙な種目たち

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1900年のパリ大会で一度だけ行われた生きた鳩の射撃の様子/Getty Images via CNN Newsource

1900年のパリ大会で一度だけ行われた生きた鳩の射撃の様子/Getty Images via CNN Newsource

(CNN) パリ五輪でブレイクダンス、つまり「ブレイキン」が競技種目に採用されたことは、どのような競技をオリンピック種目として分類すべきかについて多くの議論を巻き起こした(五輪の公式ウェブサイトには、なぜブレイキンがオリンピック種目なのかを説明するFAQページさえ設けられている)。

しかしブレイキンは、五輪で初めて認められた型破りな競技というわけではない。

綱引き

1920年アントワープ大会での綱引き競技の模様/International Olympic Committee
1920年アントワープ大会での綱引き競技の模様/International Olympic Committee

ほとんどの人にとって、綱引きは学生時代に行うスポーツだ。しかし綱引きは20年間にわたり激しい戦いが繰り広げられたオリンピック種目だった。

この競技では英国が強く、メダル10個のうち5個を獲得した。

綱引きが最後に行われたのは1920年のアントワープ大会で、ロンドン市警察のメンバーで構成された英国チームが金メダルを獲得した。

生きたハトの射撃

射撃は近代オリンピックの始まりから競技になっている。パリ大会では、トルコの無頓着な選手とクールでスタイリッシュな韓国の選手が話題になった。

今日と同じように標的は代々、無生物だったが、00年のパリ大会は違った。

競技者は生きたハトを撃ち落とし、その数を競ったのだ。このとき死んだハトは約300羽に上ったと伝えられている。

金メダルを獲得したのはベルギーの射撃選手レオン・デ・ランデン。ギネス世界記録によると、ランデンはトーナメントで21羽のハトを撃ち落とした。

ピストル対決

00年のパリ大会以降、ハトの射撃は復活しなかったが、主催者は08年のロンドン大会で2人の競技者が互いに撃ち合うピストル対決を考案した。

幸い、対決は命に関わるものではなかった。競技者は防護服を着用し、ピストルの弾は殺傷力のないワックス弾だった。

障害物競泳

1900年パリ大会の障害物競泳を制し、セーヌ川から上がる豪州のフレデリック・レーン選手/International Olympic Committee
1900年パリ大会の障害物競泳を制し、セーヌ川から上がる豪州のフレデリック・レーン選手/International Olympic Committee

00年のパリ大会で行われたこの競技は、現代のウォーターパークでも違和感がないかもしれない。

競泳選手はパリのセーヌ川で一連の障害物を乗り越えたりくぐったりしながら200メートルを泳がなければならなかった。

オーストラリアの競泳選手フレデリック・レーンが2分38秒4のタイムで金メダルを獲得した。

障害物競泳はオリンピックで1回しか行われなかったため、レーンのタイムは厳密に言えばオリンピック記録として残っている。

モーターボートレース

五輪では長らく機械的な推進力に依存する競技が禁止されているため、自動車レースを目にすることはない。

しかし08年のロンドン大会では、内燃機関の使用が許可され、モーターボートレースが種目として採用された。

ボート選手が40海里(約74キロ)のコースを競ったが、公式報告書によると、荒波により「レースは相当の危険を伴う取り組みとなり、最も熱心なファン以外にとってレースの楽しみは完全に奪われた」という。

この競技にはフランスと英国の2カ国のみが参加し、メダルが授与されたが、この競技が同年以降、オリンピックに登場することはなかった。

芸術

12年のストックホルム大会から48年のロンドン大会まで、五輪のメダルはスポーツだけでなく、文学、建築、音楽、彫刻、絵画などの芸術的取り組みにも授与された。これらはその後、都市計画や合唱などのサブカテゴリーに分割された。

芸術種目にはオリンピックのアスリートも参加した。1896年に水泳でオリンピック初の金メダルを獲得し、ハンガリーのサッカー代表チームでも活躍したハヨーシュ・アルフレードは、1924年の大会で建築で銀メダルに輝いた。

芸術種目については、参加者のほとんどがプロであり、五輪のアマチュア精神に沿っていないと判断され、48年の大会が最後となった。

ソロシンクロナイズドスイミング

1984年ロサンゼルス大会のソロシンクロナイズドスイミングで演技するトレイシー・ルイズ選手/Kishimoto/International Olympic Committee
1984年ロサンゼルス大会のソロシンクロナイズドスイミングで演技するトレイシー・ルイズ選手/Kishimoto/International Olympic Committee

言葉の組み合わせとして矛盾する競技名に聞こえるかもしれないが、ソロシンクロナイズドスイミングは3大会連続で競技として実施された。

84年のロサンゼルス大会で初出場を果たした米国の競泳選手、トレイシー・ルイズが金メダルを獲得。88年のソウル大会でも銀メダルを獲得した。

ソロシンクロナイズドスイミングは観客の支持をそれほど得られず、92年の大会が最後となった。

プードルの毛刈り(本当ではない)

多くの出版物には、00年のパリ大会では生きたプードルの毛刈りが正式種目だったと書かれている。

しかし、これは英紙デーリー・テレグラフの記者が2008年の北京オリンピックについて書いたときのエイプリルフールのいたずらのようだ。

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