「石が顔面に直撃したよう」、レース中の自転車選手に観客がボトル投げつけ その後警察出頭
(CNN) 自転車レースで走行中のマチュー・ファンデルプール選手に向かってボトルを投げた観客が14日、現地の警察に出頭した。ベルギー・西フランダース州の検察がCNN Sportsに確認した。
当該のペットボトルは13日、2023年の世界王者に輝いたファンデルプール選手の顔面に向かって投げられた。同選手はフランスのベルギー国境付近で開催される自転車ロードレースの「パリ~ルーベ」に参加中、ゴールまでおよそ33キロの地点を走行中だった。
「普通じゃない。中身が満杯のボトルだ。500グラムはあっただろう。こっちは時速50キロで走っていた。石が顔面に直撃したようだった」。最終的にレースで優勝を飾った後、ベルギー生まれのオランダ人であるファンデルプール選手はそう語った。ロイター通信が伝えた。
「こんなことは絶対に受け入れられない。唾(つば)を吐きかける、ビールをかけるのも許されないが、それとは次元の違う話だ。本気で法的措置に踏み切る必要がある」(同選手)
西フランダース州検察はCNNの取材に対し、容疑者が自ら警察に出頭してきたと確認。被害届はまだ受け取っていないとした。現在、武器を使った暴行罪の捜査が行われているという。
ファンデルプール選手の所属チームはCNNに宛てた声明で、13日のレース中のボトル投げつけについて「かねて起きていた事案の激化」と説明。同選手に怪我(けが)がなかったことに安堵(あんど)しているとしつつ、公式な被害届を出す意向を示した。
その上で一部の観客の不品行のために選手の安全が脅かされ、自転車ファンの楽しみが阻害されると非難。レースの結果への注目が薄れるとも指摘した。
国際自転車競技連合(UCI)も、当該の行為を非難する声明を出した。こうした行為が今後も適正かつ厳格に罰せられるよう、あらゆる法的手段を講じるとも明言した。
13日の優勝により、ファンデルプール選手はパリ~ルーベ3連覇を成し遂げた史上3人目の選手となった。