目でパソコンを操作する装置、2000円台で実現 英研究者
(CNN) マウスやキーボードを使わず、視線の動きだけでパソコンが操作できる装置を低コストで製作することに、英国の研究チームが成功した。家庭用ゲーム機に搭載されたカメラ2台と眼鏡一式を組み合わせた。
同じように視線の動きをとらえる装置は従来、数十万円という価格が一般的だった。しかし英インペリアル・カレッジ・ロンドンの神経科学者、アルド・ファイサル博士らが開発した「GT3D」は、ショッピングセンターで手に入る安い材料だけで製作できる。多発性硬化症やパーキンソン病、筋ジストロフィーの患者らにとって大きな助けとなるほか、ハンズフリーのパソコンという次世代製品の普及に向けた可能性を秘める。
ファイサル氏はもともと、あらゆる装置を分解せずにはいられない性分だった。ある時ふと人気ゲーム機の中身を調べてみたところ、非常に性能の良いカメラが内蔵されていたという。「どんなウェブカメラよりも速く、目の動きまで記録できることが分かった」と、ファイサル氏は振り返る。
人間の目は1秒に10~20回も動いているため、通常のカメラで視線を正確に追跡することは難しい。カメラの性能を上げれば、価格も当然高くなってしまう。しかしゲーム会社はソフトで利益を上げるため、ゲーム機には赤字覚悟で高価なカメラを搭載していたのだ。