スマートフォンの画面がサファイア製へ? 価格など課題も
(CNN) 次世代のスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末のディスプレーは、人工宝石で作った非常に丈夫なものになるかもしれない。
米マサチューセッツ工科大学(MIT)の「MITテクノロジー・レビュー」に掲載されたリポートによれば、人工的に合成したサファイアが今後、携帯端末のディスプレー用ガラスに取って代わる可能性があるという。
サファイアは地球上でダイヤモンドに次いで硬い物質だ。人工サファイアは酸化アルミニウムを溶かしたのちに結晶化させて作られ、それを使った携帯電話のディスプレーは、コーニング社製の強化ガラス「ゴリラガラス」で作られた現行品の約3倍の強度をもつという。
地面に落としても画面が割れる心配はなくなるし、車のキーと一緒にポケットに入れてもひっかき傷がつくことはないという。すでに米アップルの「iPhone5」では、内蔵カメラのレンズを保護するのに人工サファイアが使われている。
仏調査会社でアナリストを務めるエリック・ビレー氏は、「どこか(のメーカー)が13年中にサファイアを使った高級スマートフォンを売り出すと確信している」と語る。
普及に向けての課題は価格だ。ゴリラガラスを使ったスマートフォン用ディスプレーの価格は約3ドル(約280円)なのに対し、人工サファイアで作ったものは30ドル。もっともビレー氏は、数年のうちに価格は20ドルまで下がると見ている。
一方、コーニング社の広報は「(人工サファイアが)現行のガラスと比べて全体的なパフォーマンスが優れているかどうかは明らかではない。コストや製品重量の問題も解決しなければならない」と指摘。ゴリラガラスは曲線を含むデザインにも強度を損なわず対応できるが、サファイアにそれが可能かどうかは不明だと疑問を呈した。