郵便物をデジタル化する新ビジネス、成功なるか 米
サンフランシスコ(CNN) 車体の側面に大きなプラスチック製の赤い旗を装着した白のプリウスのドライバーが、起伏の多い米サンフランシスコの街を走りながら民家の郵便箱から郵便物を回収していく。
このドライバーは決して泥棒ではない。彼は、郵便物のデジタル化を手掛ける新興企業「アウトボックス」の社員だ。
「アンポストマン(郵便回収員)」と呼ばれるこのドライバーは週3回、顧客の家を訪問し、米郵政公社(USPS)の配達員が配達した手紙、請求書、雑誌、広告などを郵便箱から回収し、アウトボックスの倉庫に持ち帰る。そこで郵便物の開封、写真撮影を行い、そのデジタルファイルをアウトボックスのウェブサイトや、iPad、iPhone用アプリケーションを通じて顧客に「電子的に」送信する。
月額4.99ドル(約470円)で、郵便箱にたまった厄介な郵便物を誰かが消し去ってくれるというサービスだ。アウトボックスの顧客は、携帯端末やコンピュータを使って、ファイル内の郵便物を整理したり、それらを電子メールとして転送したりすることも可能だ。またダイレクトメールの送付中止の依頼や不要な郵便物の廃棄、さらに結婚式の招待状や絵葉書などの重要な郵便物の再配達を頼むこともできる。
アウトボックスはすでにテキサス州オースティンに600人以上の顧客を抱えて、間もなくサンフランシスコにも進出する。
効率面を考えれば、一度配達された郵便物を郵便箱から回収するより、郵便配達プロセスのより早い段階で回収するのがベターだろうが、現状ではそれは不可能だ。郵政公社はアウトボックスとの連携を拒否しており、アウトボックスの社員が地元の郵便局から直接郵便物を回収することを認めていない。
アウトボックスのサービスは合法か