過去最大規模のサイバー攻撃、世界のネットインフラに影響
プリンス氏によると、直近の大規模攻撃が発生したのは26日だった。しかし攻撃が再燃しないという保証はないとしている。
スパムハウスは迷惑メール送信に利用されているサーバーなどを調べて加担業者のブラックリストを作成し、インターネットサービス事業者などに提供している。プリンス氏によると、迷惑メールとして遮断される全メールの80%はスパムハウスの情報によるものだという。一方で、これに反発した業者などからは頻繁に脅迫されたり訴えられたりDDoS攻撃を仕掛けられたりしていた。
ブラックリストに登録されたサイバーバンカー社は今回の攻撃への関与は認めてはいないものの、同社創業者はCNNに対し「インターネット社会がスパムハウスを吐き出している。インターネットががんを吐き出しているということだ」と語った。
今回の攻撃は、さまざまなウェブサイトの運営者がインターネット電話のスカイプを通じて結集し、計画を立てたと同氏は説明。サイバーバンカーを支援している団体の「ストップハウス」は3日間で攻撃をやめたが、ほかのハッカーや活動家が攻撃を続けたとしている。
同氏らは、スパムハウスの迷惑メール対策は一線を踏み越え、罪のないサイトまで破壊したと主張。「(迷惑メールよりも)スパムハウスの方が差し迫った危険だ」と訴えた。
これに対してスパムハウスの研究者は、同団体が提供するデータは世界17億以上の電子メールアカウントを守るために使われてきたと強調。スパムハウスにメールを遮断する権限はなく、データをサービス事業者などに提供しているにすぎないと話している。