「ストリートビュー」で見る被災地 グーグルが浪江町を撮影
(CNN) 倒壊した壁の下敷きになった車、ぽつんと残された自動販売機、黄色の点滅を続ける信号機――。米グーグルの地図検索サービス「グーグルマップ」で風景のパノラマ画像を閲覧できる「ストリートビュー」の撮影車が、福島第一原子力発電所事故で無人になったままの福島県浪江町に入った。
浪江町は原発から20キロ圏内の警戒区域または計画敵避難区域に指定され、町民2万2000人が全員、避難を余儀なくされた。それから2年間、町の時間は止まったままだ。
グーグルは浪江町からの要請を受け、今月初めに撮影を開始していた。撮影に同行した同社アジア太平洋地域事業部門のデービッド・マークス氏は「地震そのものではなく、津波による被害がほとんどだった」「川沿いは乗り上げた漁船で覆われ、巨大ながれきの山が残されていた」と話す。
馬場有(たもつ)町長はグーグルの公式ブログで、「多くの町民から、ふるさとの状況を見たいという声があります。また、世界的にも原発事故の悲惨な状況を映像で見たいという方がたくさんいらっしゃると思います」と説明。
各地で震災後の復興へ向けた歩みが始まるなか、浪江町の時は止まったまま、応急的な処置しかできない状態だと訴えている。