傍受不能のiPhoneの「メッセージ」、麻薬捜査の障害に? 米
ニューヨーク(CNNMoney) 米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」に搭載されているメッセージアプリ「iメッセージ」について、米麻薬取締局が「傍受できない」と頭を抱えていたことが分かった。米ITニュースサイトのCNETが伝えた。
CNETが入手したという麻薬取締局の内部文書には、「アップルの端末同士で交わされるiメッセージは通信が暗号化されていると思われ、携帯電話事業者に関係なく傍受が不可能だ」と記されていた。
麻薬取締局はこの報道についてコメントを避けている。
アップルのiメッセージは2011年から使われているが、麻薬取締局は13年3月になって、このアプリ間で送信されたメッセージは追跡できないと認識。捜査当局がiPhone間でやり取りされるメッセージを傍受できていないにもかかわらず、携帯メールやメッセージの通信記録は完璧に把握できているという「誤った認識」を持ってしまいかねないとの危機感を持ち、内部で情報を回覧したとされる。
iPhoneとiメッセージで交わされる通信の内容はハードウエアを使って暗号化され、捜査当局による監視の目を逃れたい者には理想的だとの指摘は以前からあった。iメッセージ間の通信の場合、アップル社外の人物や組織が暗号を解読するのは極めて難しい。
iPhoneの端末に物理的にアクセスできればデータを抽出することは可能だが、米マサチューセッツ工科大学のIT情報サイトは昨年8月の時点で、もし端末にパスワード保護がかけられていて、特定回数ログインに失敗するとメモリが消去される設定にしてある場合、端末から情報を引き出すことは極めて困難だと伝えていた。