国際サイバー犯罪集団摘発、各国の口座から45億円盗む
ニューヨーク(CNNMoney) 米連邦検察は9日、各国の銀行口座から総額約4500万ドル(約45億円)の現金を盗み出していた国際サイバー犯罪集団を摘発したと発表した。
このうち昨年12月から今年2月にかけて米ニューヨークの銀行から総額280万ドルが引き出された事件では、8人が訴追された。
犯行グループは、アラブ首長国連邦やオマーンの銀行が発行したマスターカードのプリペイド式デビットカードを使用。銀行のシステムに不正侵入してカードの利用限度額を大幅に引き上げ、そのカードの情報を使って各国の銀行で現金を引き出していたとされる。
ニューヨークでは昨年12月、市内の現金自動出入機(ATM)約140カ所で750回に分けて3時間足らずで40万ドルが引き出された。次いで2月には3000カ所のATMからわずか10時間あまりで240万ドルが引き出されたという。
引き出した金は銀行口座に入金したり、高級車や腕時計などの購入に使ったりしていたとされる。
発表によると、訴追された8人のうち、リーダー格とされる男はドミニカ共和国で4月27日に殺害された。残る7人は3月27日から5月9日にかけて逮捕された。
このほかにも各国で別の銀行から総額約4200万ドルが引き出されており、捜査当局は事件に関与した人物がほかにもいるとみて行方を追っている。
捜査に当たっては、日本やドイツなど16カ国の捜査当局が協力しているという。