あなたが知らない「ディープ」なウェブの世界
続いて、ウェブページの13%を占めるのが、企業内や大学内などで使われるイントラネット上のページ。ここから掲示板や個人ファイル、産業用コントロールパネルなどにアクセスできる。
そして、インターネットの最暗部とでも言うべきなのが「Tor(トーア)」(The Onion Router)だ。
Torは疑似アドレス「.onion」を持つ秘密ウェブサイトの集合体であり、アクセスするには専用ソフトウエアが必要となる。世界中の様々なTor用コンピューターを何重にもリレー上に経由することで、ウェブ上での活動を秘匿できる。
Torは当初、匿名でオンライン通信を行うため、米海軍調査研究所のプロジェクトの一貫として2002年に始まった。反体制派の政治活動家が秘密裏にやり取りするために使うこともあるが、麻薬や違法ポルノ、海賊版メディアなどを販売したり配布したりする闇市場の拠点ともなっている。薬物違法売買の大手闇サイトとして摘発された「シルクロード」が有名だ。
このようなディープ・ウェブは人目には付きにくいが、経済的な重要性は増す一方だ。
大学などでは、ディープ・ウェブまでも含めたウェブの全領域をくまなく探せる検索エンジンの開発が進んでいる。ビッグデータの収集手段として、気象研究・金融・政府記録の分野でとりわけ重宝されるだろう。