絶対の機密保持を目指して――オバマ大統領のブラックベリーを作った男
当時、90年代から2000年代初期にかけて広く使われていたのは、STU-Ⅲと呼ばれる機密通信用の固定電話だ。外見はごく普通の電話だが、特別な回線が接続されている。
他にもジョージ氏は、米大統領とモスクワのロシア政府を直通で結ぶ緊急ホットライン、通称「レッドホン」の開発にも参加している。同氏のチームが暗号化アルゴリズムを決めた。ロシア側に最高機密のアルゴリズムを知らせるわけにはいかず、どのアルゴリズムを使うべきか、頭を悩ませた。
さらに、レッドホンは緊急連絡用なので、いかなる時でも確実に機能する必要がある。同氏は「そこが難しいところだった。携帯電話ならば、使用時に機能するかそこまで心配しなくても済む。自分たちが怒られるだけだ。だが、ホットラインが機能しないようなことがあれば・・・」と振り返る。
ちなみに、ジョージ氏本人が使っている端末はブラックベリーだが、契約期間が終われば変更するつもりだという。