人で描くシュールな世界、GIFアーティストにインタビュー
(CNN) 街を流れる黒い人々の群像や光の渦――。そんなシュールな世界を描くトルコのGIFアーティスト、エルダル・インジさんの作品がインターネットや美術界で話題になっている。作品に込めた思いや制作過程について、インジさんにインタビューした。
『Stumblers』=エルダル・インジ氏提供
GIFは目に見える音楽の一形態だとインジさんは言う。「音楽の物理特性には不変の何かがある。独特の瞬間があって、それが音符の形で果てしなく繰り返される。映像でも同じことができると思いついた」。
作品は果てしなく繰り返される1~2秒の映像で構成される。舞台はトルコのイスタンブール。「この街には素晴らしい景色と美しい光がある。この美しい光景を舞台として使い、作品を彩ることにした」とインジさんは話す。
『Taksim Spiral』=同氏提供
『Badtrip』=同氏提供
登場人物はインジさん本人のみ。クローン作成ツールを使って自分の姿を複製する。同時に振付師、監督、編集者、そして配給の役割も担う。
「公共の場では市の許可がないとパフォーマンスはできない。見物人を集めたいと思えばたくさんの人が要る。でもこのやり方なら、どんな場所でも、例えば(イスタンブールの)タクシム広場のような場所でも振付を見てもらえる。必要なのは1人だけ。だから自分自身を使う。それが一番簡単だから。自分のクローンを作れば、好きなように動かせる軍団ができる。プロダクションも特別なカメラも必要ない」
『Light Dome』=同氏提供
『Pictogram』=同氏提供