ひまわり型の太陽光発電機、海水淡水化など機能も多彩
技術の核となっているのは、米IBM製の水冷式太陽光パネルだ。花びらのように配置された反射板が、太陽光のエネルギーを2000倍以上に集約する。コスト削減のため、高価な反射鏡の代わりにポテトチップの包装などに使われるホイル素材を使った。光を受ける6枚のパネルはそれぞれ25個の太陽電池チップを搭載している。
水冷システムによってチップを最適な温度に保つことができ、従来の約4分の1のパネルで同じ出力が得られる。
開発元によれば、10時間の日照時間で得られる電力は低温脱塩システムを稼動させるには十分だという。蒸発させた海水は高分子膜を通り、別のチェンバーにためられる。1日あたり最大2500リットルの水を得ることができるという。
アンブロセッティ氏によれば、商品化にはまだ時間がかかるものの、16年までには世界各地で複数の試験的プロジェクトを稼働させる計画だという。
「加熱や冷却、発電といったさまざまなことを供給できる統合されたシステムを作り出すことは大きな可能性を秘めている」とアンブロセッティ氏は力をこめた。