ホーキング氏、「何でも聞いて」イベントに登場
ニューヨーク(CNNMoney) 米ソーシャルメディアのレディットで有名人が質問を受け付けるイベント「AMA(Ask Me Anything<『何でも聞いて』の意味>の略)」に27日、世界的に有名な理論物理学者のスティーブン・ホーキング氏が登場した。
今回のAMAにはわずか2時間で2300件を超すコメントが寄せられた。内容は、ホーキング氏がここ数年の講演で頻繁に取り上げてきた人工知能(AI)に関する質問が多数を占め、同氏は冒頭、AIの倫理性を巡る論議に加わるようユーザーに呼びかけた。
この中でホーキング氏は、「私が今年署名した公開書簡では研究者に対し、AIの恩恵とリスクのバランスを取るよう促した」と述べ、「AIはいつか、病や貧困を根絶する助けになるかもしれない。だがこの技術の第一線にいる科学者には、その人間的要因を革新の前面と中心に据え続ける責務がある」と指摘している。
コンピューターに学習能力や意識を持たせるAIは、SFの題材になることも多く、物語の結末が人類の滅亡に行き着くこともある。ホーキング氏の懸念はそこまでは行かないまでも、近い未来に予想される影響として、雇用の喪失や思考力を持つ兵器の出現を挙げている。
ホーキング氏は40年間にわたって筋萎縮性側索硬化症(ALS)との闘病を続け、コミュニケーション手段にはコンピューターを利用。レディットでは8月4日まで質問を受け付け、その後数週間で回答を投稿する。