ISISにIT分野の「サポートデスク」、テロ実行犯へ助言
(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」には、メンバーへのIT(情報技術)分野での支援に特化した「テクニカルサポート」要員がいると考えられている。
5〜6人からなるこのチームは、通信を暗号化する方法やメッセージアプリに登録する際に電話番号を隠蔽(いんぺい)する方法、写真を公開する際に顔認識技術を回避する方法などをメンバーに指南。情報機関や捜査機関の目を逃れて活動する手助けをしているという。
米研究機関「コンバティング・テロリズム・センター」のアーロン・ブラントリー博士によれば、彼らはITの専門家で、世界各地からの問い合わせに四六時中応じている。
サポートチームからのアドバイスは主に、メッセージアプリ「テレグラム」を使って伝達される。テレグラムは秘密裏にチャットを行う機能があることから、ISISのメンバーに愛用されている。
チームは分厚いIT訓練マニュアルも用意している。ブラントリー博士は300ページを超えるマニュアルのほか、ユーチューブに投稿された約25本の教習ビデオを分析。「全体的に、技術面で極めて洗練された集団だと言える」との見方を示す。
彼らがISISなど特定の組織に属さないテロリストの活動を支援することも考えられる。「ツールを与えたり暗号化技術を使うことで活動を隠蔽できるようになれば、リーダーがいなくてもテロを起こすことは容易になる」とブラントリー博士は言う。
本来、暗号化技術はプライバシー、とりわけ弾圧される可能性のある人々の個人情報を守るためのものだ。
ブラントリー博士は「(こうした技術の使用が)極悪非道な目的のためだと思うと、胸が張り裂けそうになる」と述べた。