ランサムウェア攻撃 匿名の研究者が拡大を「偶然」阻止
サンフランシスコ(CNNMoney) 英国の病院などが大規模なサイバー攻撃を受けた問題で、攻撃に使われたランサムウェア(身代金要求型ウイルス)の感染拡大を、英国の研究者が偶然阻止していたことが分かった。
英国でマルウェア(有害ソフト)を研究する22歳の人物で、「マルウェアテック」と名乗っている。CNNの取材に対し、身元や性別は明かさなかった。
本人が13日早朝、ブログへの投稿で公表したところによると、問題のランサムウェアのアクセス先に未登録のドメインが見つかったため、そのドメインを10.69ドル(約1200円)で買い取り、マルウェア対策の「シンクホール」と呼ばれるサーバーへ振り向けるようにした。
買い取ったドメインが実はランサムウェアの動作を停止させるスイッチだったことに、後から気付いたという。ランサムウェアはこのドメインが有効になると、動作を停止する仕組みになっていた。
ただし、停止されたのは一種類のランサムウェアにすぎない。このドメインを使わない型もあり、そちらはまだ感染が拡大する恐れがある。
停止スイッチを外部から簡単に作動させることができたため、犯人が素人だった可能性も指摘されている。ただ専門家らは、同様の新たな攻撃が早ければ週明けに起きる恐れもあるとして、警戒を呼び掛けている。