AI開発競争で「第3次大戦」の恐れ、テスラCEOが警告
ニューヨーク(CNNMoney) 米電気自動車(EV)大手テスラや米宇宙開発ベンチャーのスペースXを率いるイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が、第3次世界大戦の危険性を警告している。原因は北朝鮮の核開発ではなく、人工知能(AI)開発をめぐる国家間の競争だという。
マスク氏は4日朝、「文明の存続を脅かすリスク」として、北朝鮮の順位は低くみるべきだとツイート。「私の意見では、AIでの優位を争う国家レベルの競争が第3次世界大戦の原因となる可能性が最も高い」と主張した。
ロシアのプーチン大統領が最近、「AIはロシアだけでなく全人類の将来だ」「この分野でトップに立った者が世界を制す」と述べたことを受けた発言だ。
あるIT企業幹部によると、AI開発のレースでは現在、米国と中国、インドが先頭を走っている。しかしマスク氏によれば、他国も可能な限りの手段を使って追いつこうとすることが予想される。同氏は一連のツイートで「政府は通常の法律に従う必要がない」「必要とあれば、企業が開発したAIを脅し取るだろう」と指摘した。
また別のツイートでは、最も勝算が高いのは先制攻撃だとAIが判断した場合、AI自体が開戦を選ぶこともあり得ると警告した。
マスク氏はかねてからAIの危険性を警告し、米交流サイト大手のザッカーバーグCEOらと激しい議論を展開。最近では人類に良い影響を与えるAIの開発を目指して、脳とコンピューターを直結させる技術を手掛ける新会社「ニューラリンク」を設立した。