フェイスブックの「ロシア関与」広告、1000万人が閲覧
ロサンゼルス(CNNMoney) 米フェイスブックは2日、昨年の米大統領選前後にロシア政府関連のアカウントが流したとされる少なくとも3000件の広告について、2年間で約1000万人が閲覧したとの推計を明らかにした。
フェイスブックが発表している広告収入の記録によると、広告に支払われた金額の合計はわずか10万ドル(約1100万円)。閲覧者の数を考えると、ロシアがわずかな投資で効率的に米国政治への介入という目的を果たしていたことがうかがえる。
同社のシュレージ副社長が同日発表したところによると、これらの広告が閲覧された時期は、昨年11月の大統領選より前が44%、後が56%だった。同様の活動は今も続いている可能性がある。同社はこれまでに見つかってない広告が残っているのではないかとみて、調査を続けているという。
シュレージ氏によると、広告の大半は性的少数者や人種、移民、銃規制などの問題を取り上げ、社会的、政治的な対立をあおるような内容だった。ロシアが大統領選前後を中心に米国内の分断や混乱を狙ったとの観測を裏付ける動きとも考えられる。
フェイスブックは先月、大統領選前後にロシア系のアカウントなどを介した広告の売り上げが約10万ドルに達していたことを認めた。2日には上下両院の情報、司法委員会に、広告の詳細な記録を提出した。記録の中には広告主の名前やターゲットの設定に関する情報も含まれている。
問題の広告が今後、一般公開されるかどうかは不透明だ。