教育現場向けの新型iPad、グーグルの牙城を崩せるか
サンフランシスコ(CNNMoney) 米アップルは先ごろ、米シカゴで、教育現場向けの新しいタブレット端末「iPad(アイパッド)」を発表した。価格は326ドルで、入力用のペン「アップルペンシル」(99ドル)も用意した。学校での利用なら割引価格が適用され、生徒たちは新しいiPadで芸術や歴史を学べるほか、バーチャルのカエルの解剖も行える。
アップルは教育市場への進出を狙っているが、2つの壁が立ちはだかっている。グーグルが展開している安価なタブレット端末「クロームブック」と、公立学校における厳しい予算状況だ。
グーグルのOS「クローム」で稼働するクロームブックは安価で、低価格モデルだと150ドル前後だ。グーグルは教育機関向けの無料のグループウエア「G Suite」なども用意している。
非営利団体「テクノロジー・フォー・エデュケーション・コンソーシアム」の最高経営責任者(CEO)ハル・フリードランダー氏によれば、クロームブックは導入が容易なほか、学校のテクノロジー関連のインフラに対する要求も少ない。
5年前、グーグルはアップルを追い抜いて、米国の学校で最も推奨されるテクノロジー企業となった。
フューチャーソース・コンサルティングによれば、学校向け携帯端末の約60%をクロームブックが占める。マイクロソフトとアップルはそれぞれ約20%の市場シェアを押さえているがマイクロソフトがわずかにリードしている。
iPadよりもクロームブックが選ばれる背景には、子どもたちが、より創造的なアプローチか、あるいは実用的なアプローチか、どのように学習を行うべきなのかといった教育現場での考え方を反映しているといえそうだ。