米英政府、ロシアのハッカー集団に対する警戒呼びかけ
ワシントン(CNN) ロシアのハッカー集団が、インターネットのトラフィックを制御するルーターなどの機器に対して不正アクセスを試みている――。米英の政府機関が16日、世界の組織や個人に対してそんな警告を発した。
不正侵入された機器の数や、ハッカー集団の目的は不明だが、影響は世界で数百万台の機器に及ぶとしている。
米国土安全保障省のジャネット・マンフラ氏は、「ルーターを制御すれば、ルーターを通過するトラフィックも制御できる」と指摘。米連邦捜査局(FBI)のハワード・マーシャル氏も「敵の手に渡ればとてつもない武器になる」と警戒感を示した。
米英の政府が共同でこうした警告を発するのは今回が初めて。ロシアのハッカー集団は、2015年ごろからルーターなどのネットワークインフラ機器を狙うようになったと述べ、その背後にはロシア政府が関与していることを「強く確信する」としている。
ルーターなどのネットワーク機器は、膨大な量のインターネットトラフィックを制御していながら、コンピューターやモバイル端末といった日常的に使われる機器に比べて、メンテナンスが行き届かない傾向がある。