小型ロボットが猫の写真を撮影する大切な理由
何をするにも頼りはデータだ。正面のカメラを使って人間を認識し、物に衝突するのを避ける。マイクで人間の命令を聞き取り、適切に応答してくれる。
そんなベクターでも、今のところペットの認識はできない。
アンキのコンピュータービジョン部門責任者で自身も猫を飼うアンドリュー・スタイン氏は、周囲の世界と関わるのが目的のロボットにとって、これは問題だと語る。多くの家庭には猫や犬がいるはずだからだ。
アンキの技術者は、人工知能を使ってベクターに認識方法を教えている。鍵となり、そして時に難しいのはデータの収集だ。この場合のデータには、猫のさまざまな様子をとらえた写真も含まれる。
アンキは犬の認識にも取り組んでおり、ベクターはまず、家庭の犬猫を見分ける能力を獲得する見通し。スマートフォンアプリで飼い主が見るための画像を撮影したり、ペットとふれ合ったりといった簡単な機能を増やすことも検討している。
ただ、リビングで動く猫に気付いてもらうためには、既存のオンラインデータベースから取得した猫の画像を見せるだけでは難しい。アンキの技術者は既に、こうした画像数万枚を使ってニューラルネットワークに訓練を行い、猫を認識する基本的な方法を教えてきた。