小型ロボットが猫の写真を撮影する大切な理由
しかし、スタイン氏によれば、こうしたデータベースの画像は、ベクターの視点から見た猫の姿とは大きく異なる。上から猫を見下ろしていたり、目の前に足があったりする可能性があり、場所も大半は屋内だろう。
スタイン氏は「鍵となるのは、ベクターが家庭の中で実際に目にするであろう光景を表すデータを取得することだ」と語る。
アンキとしては、ベクターに必ずしも顔を見なくても動物が近くにいることを認識してほしい。ロボットは相手が人間であれば、体の一部を見ただけで近くにいると判断できるが、それと同様だ。
最終的な目標は、ベクターに犬や猫が近くにいることを認識するだけでなく、特定のペットを判別してもらうことだ。そうすれば恐らく、相手によって異なる反応を取ることが可能になるだろう。動物によってはベクターをのぞき込む場合もあれば、おびえたり、興味を示さなかったりする場合もあるだろうから、こうした対応が合理的だ。
カフェの猫たちについても同じことが言える。いぶかしげにベクターを見つめる猫がいる一方、引っかいたり、飛びついたり、突き飛ばす猫も。多くの猫はロボットに気付かない様子で、枕で眠たそうにしたかと思えば、ゴールデンゲートブリッジのレプリカにちょこんと座るか、窓の外を物憂げに眺めるのだった。