インド、中国アプリを追加禁止 「PUBG」も対象に
ロンドン/ニューデリー(CNN Business) インド政府は2日、人気ゲーム「プレーヤーアンノウンズ・バトルグラウンズ(PUBG)」を含む中国アプリを新たに禁止すると明らかにした。両国の間では、国境紛争をめぐる緊張が再び高まっている。
インド電子情報技術省はこの日、118のアプリを追加で禁止すると発表。これらのアプリは「インドの主権と一体性、国防、国家安全保障、公共の秩序を損なう活動に関与している」と指摘した。
禁止リストにはPUBGのほか、中国検索大手の百度(バイドゥ)や、アント・グループのモバイル決済アプリ「アリペイ」も含まれる。アント・グループはジャック・マー氏率いる電子商取引大手アリババ傘下の金融会社。
インドはここ数カ月で既に、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」をはじめ多数のアプリを禁止していた。今回のリストでは、「ティックトック用の仮想プライベートネットワーク(VPN)」とされる2つのアプリも禁止。いずれも規制をかいくぐる目的で開発されたアプリとみられる。
ただ、特に影響が大きそうなのは、中国IT大手の騰訊(テンセント)が運営するモバイルゲーム「PUBG」だ。調査会社アップアニーによると、PUBGは昨年、モバイルゲームとしてインドで最多の月間アクティブユーザーを集めていた。
インドと中国の間では6月、国境地帯で衝突が発生し、インド兵20人が死亡。その後は冷静な対応と緊張緩和を呼びかける動きが出たものの、両国の当局者による協議では事態を打開できず、通商関係にも緊張が飛び火している。
国境でも再び緊張が高まっており、中国は今週、ヒマラヤ山脈の中国領側にインド兵が違法侵入したと非難した。