「ディープフェイク」の英女王が演説、ダンスも 偽情報に警鐘

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本物のエリザベス女王(左)の演説の後、ディープフェイクの女王がテレビに登場

本物のエリザベス女王(左)の演説の後、ディープフェイクの女王がテレビに登場

ロンドン(CNN) 英テレビ局チャンネル4は25日、偽動画合成技術「ディープフェイク」でつくったエリザベス女王のクリスマス演説を放送した。偽の女王が画面狭しとダンスを踊る場面もある。

本物のエリザベス女王は例年クリスマスに演説を行い、その模様が世界中で放送される。

しかし、今年は本物の女王による午後3時の演説に続き、デジタル生成した偽の女王の演説がチャンネル4で放送された。声は役者が担当し、「私たちが見聞きするものが常に見た目通りのものなのか」疑ってかかるよう視聴者に注意を促した。

チャンネル4は今回の動画の狙いについて、「デジタル時代において先端技術が偽情報やフェイクニュースの拡散を助長していること」に警鐘を鳴らすためと説明している。

紙吹雪が舞う中、華麗にダンスを踊る「ディープフェイク」のエリザベス女王/Channel 4
紙吹雪が舞う中、華麗にダンスを踊る「ディープフェイク」のエリザベス女王/Channel 4

チャンネル4は1993年から毎年、女王の演説に合わせて「もう一つのクリスマスメッセージ」を放送してきた。

この放送はかねて物議をかもしており、以前にはイランのアフマディネジャド元大統領や、米政府の情報収集活動を暴露したエドワード・スノーデン容疑者、米黒人指導者ジェシー・ジャクソン師、2017年のロンドン高層住宅火災を生き延びた子どもたちが登場したこともある。

だが、2020年版の趣向は例年とはかなり異なっていた。

チャンネル4は今年、英VFX制作企業「フレームストア」を雇ってエリザベス女王のディープフェイク動画を作成。動画の合成には人工知能(AI)を使用した。

偽の女王はヘンリー王子とメーガン妃が北米に移住したことにも触れ、「カナダ人と一緒にいる方が好きと言われるなんて、これほど傷つくことはそうありません」と語っている。

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