中国アリババが罰金後初の決算、増収もクラウドの成長減速
ニューヨーク(CNN Business) 中国ネット通販大手アリババ集団が13日発表した2021年1~3月期の決算は、営業損益が約12億ドル(約1300億円)の赤字だった。アリババの決算発表は中国当局が巨額の罰金を科してから初めてだが、一部で懸念されたほど悪い数字ではなかった。
赤字の主因は中国政府によって4月に科された28億ドルの罰金。これを除けば純利益が18%増の40億ドルとなる。
売上高は前年同期比64%増の286億ドルだった。これはアナリスト予想を超える結果で、新型コロナウイルス禍による昨年落ち込みから中国経済が持ち直していることを改めて示した。次期会計年度の売上高は21年度から約30%増えるとの見通しも明らかにした。
ただ、アリババ株は13日の取引で約6%下げた。クラウド事業の売り上げの伸びはここ最近の四半期に比べてペースが落ちている。
アリババは実業家のジャック・マー氏らが創設した企業で、中国の民間企業では最大級の知名度と成功を誇る。しかし、中国政府が昨年後半にIT大手への締め付けを強化し始めて以降、株価は伸び悩んできた。
独禁法当局はアリババが独占企業のように振る舞っていると結論づけ、中国での19年の売り上げの4%に当たる罰金を科した。
ただ、規制環境が厳しさを増す中でもアリババの中核事業に大きな影響はなかったもようだ。
同社の13日の発表によると、今期末時点のモバイルアクティブユーザーは9億2500万人と、昨年12月末から2300万人増えた。
クラウド事業の売り上げは前年同期比37%増。印象的な伸び率だが、これまでの四半期に比べると減速した。
アリババの決算資料によると、これは国外の大口顧客がサービスの利用停止を決めたことによる売り上げ減が響いたという。アリババはこの顧客の名称を明かしていない。