米ゲーム大手EAにハッカー侵入、ソースコードなど盗む
(CNN Business) 米ビデオゲーム大手エレクトロニック・アーツ(EA)のシステムにハッカーが侵入し、同社のゲームで使用されるソースコードを盗んだことが分かった。同社の広報担当者が10日、CNNに確認した。
ハッカーはネットフォーラムへの投稿でEAから780ギガバイトに上るデータを盗んだと主張。その中には「FIFA」、「Madden NFL」、「バトルフィールド」などのシリーズで使われるゲームエンジン「フロストバイト」のソースコードも含まれる。この投稿はCNN Businessが調査し、外部の情報セキュリティーの専門家が検証した。
ハッカーは投稿で、「EAの全てのサービスを不正利用する完全な能力」を提供すると主張。また、サッカーゲーム「FIFA21」用のソフト開発ツールや、同ゲームで対戦相手の決定などに使われるサーバーコードを盗んだとも主張している。
情報セキュリティーの専門家でエムシソフト社の脅威分析官のブレット・キャロー氏は、ソースコードへのコントロールを失うことは、EAの事業にとって問題になる可能性があると指摘。「理論上、ソースコードは他の開発者にコピーされたり、ゲームに侵入する手段をつくるのに利用されたりする可能性がある」と語る。
EAの広報担当はCNNの取材に、プレーヤーのデータは今回の侵入で影響を受けていないと説明。「当社のネットワークに対する侵入事案を調査中だ。限定的な量のゲームソースコードや関連ツールが盗まれた」としている。
最近ではブラジルの食肉大手JBSの米国部門や米パイプライン運営大手コロニアル・パイプラインなど、有力インフラ企業がランサムウェア(身代金ウイルス)攻撃を受けるケースが相次ぎ、サイバー攻撃への注目が再び高まっている。