マカフィー創業者、スペインで勾留中に死亡 米国への引き渡し決定後
ニューヨーク(CNN Business) 米インターネットセキュリティー大手マカフィーの創業者、ジョン・マカフィー被告(75)が23日、スペイン・バルセロナ近郊の勾留施設で死亡した。米国での脱税の訴追を受けて身柄引き渡しの決定が出た直後だった。
カタルーニャの裁判所報道官によると、マカフィー被告は米東部時間同日午後1時(日本時間24日午前2時)ごろに施設内の部屋で死亡しているのが見つかった。現場には検視官が入り、死因の調査が進められている。
施設を運営するカタルーニャ州司法省によると、施設の医療関係者や守衛がマカフィー被告の蘇生を試みたが助からなかった。死因は自殺との見方が示されている。
マドリードの裁判所は同日早く、マカフィー被告を米国での訴追のために引き渡すことを認める決定を下していた。法廷文書によると、決定には異議を申し立てることも可能だった。
マカフィー被告は昨年10月にスペインで逮捕された。その数カ月前には米国で脱税罪での訴追を受け、2014~18年に暗号資産(仮想通貨)のプロモーションやコンサルティング業、講演料などから得た多額の収入の申告漏れがあったと指摘されていた。金額は明らかにされていない。
AP通信によると、マカフィー被告は今月開かれた審問で、脱税での訴追は政治的動機に基づくものだと主張していた。
マカフィー被告は今年3月にも別件の詐欺やマネーロンダリング(資金洗浄)の罪で訴追されていた。
マカフィー被告はマカフィーの創業者だが、すでに同社との関係は切れている。最後の20年間は波乱に満ちた人生だった。
12年には当時住んでいた中米ベリーズで地元警察から隣人の死亡について事情を聴かれた後に姿を消した。マカフィー被告は死亡への関与を否定し、自身の命に不安を感じて逃げたと語っていた。
その後グアテマラやカナダのモントリオールに移住。モントリオールでは自身の人生のドキュメンタリー制作に携わった。16年には米大統領選挙にリバタリアン党の候補として出馬を宣言し、新たなセキュリティー関連製品も発表していた。