マスク氏の脳インプラント企業、サルの死を認める 動物虐待は否定
(CNN Business) 米実業家イーロン・マスク氏の脳インプラント企業「ニューラルリンク」は18日までに、同社の実験に使われたサルが死んだことを認めた。ただ、動物虐待の疑いは否定している。
同社は脳をコンピューターに接続して通信できるようにする目標を掲げている。
ニューラルリンクはウェブサイトに投稿したブログで、カリフォルニア大学デービス校霊長類センターでの同社による実験動物の使用に疑問を呈した記事に言及。新しい医療機器や治療法はすべて、人間での倫理的な試験が可能になる前に動物実験を行う必要があると指摘した。
ニューラルリンクはサルの脳に挿入するブルートゥース対応の埋め込み型チップを開発中で、試験にマカクザルを使用している。同社によると、チップは小型レシーバーを通じてコンピューターと通信できる。
ニューラルリンクは昨年4月、サルが念じるだけでコンピューターゲームをプレーできると主張。同社が公表した動画には、雄マカクザルの「ペイジャー」がジョイスティックを使わずに画面上のカーソルを動かす様子が映っていた。
ニューラルリンクは、サルが念じるだけでコンピューターゲームをプレーできると主張していた/From Neuralink/Youtube
同社によると、ニューラルリンクのチップはサルのニューロンから解読装置に情報を送り、この情報を使ってペイジャーの意図する手の動きを予測する。これにより、ペイジャーがジョイスティックを操作しなくても、解読装置の出力を使ってカーソルを動かすことが可能になるという。
ニューラルリンクの発表に先立ち、米非営利団体「責任ある医療のための医師の会」は米農務省に違反を指摘する書簡を送り、「侵襲的な脳実験で使われたサルの扱いに関連して動物福祉法の重大な違反があったとみられる」として調査を求めていた。