戦禍のウクライナから発信する中国人ブロガー、「国の裏切り者」の非難
これらの動画が注目を集め、時に14万回以上も再生されたのに伴い、王さんを「国の裏切り者」と呼ぶ批判的な声も増えた。
抖音で支持を集めたあるコメントには、「あなたにはもう中国のパスポートは必要ない。自分がどの国の出身なのかを忘れている」「国の公式の立場が全中国人の立場であるべきだ」と書かれている。
中国はここまで中立の立場を取ろうとしており、ロシアを非難せず「侵攻」と呼ぶことさえない一方で、「全ての国の正当な安全保障上の懸念」に対処すべきだと再三述べている。
中国の習近平(シーチンピン)国家主席はバイデン米大統領との18日の電話会談で、米中両国には平和を確保する責任があると表明。ただ、ホワイトハウスはその後、中国がロシアを支援する可能性に懸念が残るとの認識を示した。
王さんはCNNに対し「私がどう国を『裏切った』のか理解できない」と語る。報道番組を視聴する機会が限られ、インターネット上に誤情報が広がる現在の状況で、王さんには中国の立場もロシアの立場も分からない。分かっているのは「街が毎日攻撃され、多くの人が死んでいる」ことだけだ。
ネット上の匿名のコメントなら気にならない。しかし、以前住んでいた北マケドニアで知り合った中国大使館の職員のように、自分が大切にしている人の発言となると話は違う。
その職員は最近連絡を取ってきた際、王さんが金をもらって動画を投稿しているとほのめかし、「誰に送り込まれたのか」と聞いてきた。王さんが金のためではないと主張すると、職員は「あなたの今の行動は国益にそぐわない。関係を断ちたいので、互いにブロックしよう」と答えた。
「本当に心が痛んだ」と、王さんは語っている。