ロシアの支援要請、中国が一定の前向き姿勢表明 米外交筋など示唆
(CNN) 米国が入手した情報によると、中国はロシアからの支援要請にある程度前向きな姿勢を示したとみられる。西側の当局者と米外交官がCNNの取材に明らかにした。ウクライナでの戦争を遂行中のロシアは、中国に対し軍事面並びに財政面での支援を要請していた。
諜報(ちょうほう)活動に詳しい複数の当局者らはCNNの取材に答え、中国がロシアにそうした支援を提供するつもりなのかどうかはまだ判然としないと述べた。ただローマで開かれた7時間に及ぶ緊迫した会合の中で、バイデン米大統領の最側近の1人は中国側に向け、ロシアへの支援に踏み切ろうとするならそれに対する結果や影響が生じる可能性があると警告した。政府高官のひとりが明らかにした。
一連の出来事から、米当局者の間では中ロ間に連携が生まれつつある状況への懸念が高まっていることが分かる。バイデン氏はロシアを孤立化させ、ウクライナに侵攻した罰を与えようと動いている。
当局者らは中国国家主席がロシアによる侵攻以降の事態に警戒感を抱いていると指摘したものの、中国側が支援を完全に断ち切ろうとしていることを示す兆候はほとんどない。
そうした現状は、米国の当局者らにとって困難な問題が生じる可能性を残す。つまり中国の支援により血みどろの紛争が長引き、ますます多くの民間人が殺害されるという事態だ。一方で独裁国家同士が同盟を強化し、米国に直接対抗することも考えられる。
米国は外交公電を通じ、欧州とアジアの同盟国に対し、中国がロシアへの支援に前向きな意思を示したと伝えた。ロシアは軍事支援を要請したが、公電は支援が提供されたことを明言する内容ではない。当局者の1人は米国が公電の中で、中国側の出方について、支援の提供に前向きであることを否定する公算が大きいとも警告したと明かした。
事情に詳しい情報筋2人によれば、ロシアが要請した支援の中には米国で「МRE」と呼ばれる戦闘糧食が含まれる。こうした物資の要請は、ロシアがウクライナへ進軍するにあたり基本的な兵站(へいたん)上の問題を抱えていることを如実に示す。またロシア軍の根本的な即応態勢に対する疑問も浮かび上がる。
情報筋のひとりは、中国側が糧食の支援要請に応じるのに前向きである可能性を示唆。殺傷兵器を供給する支援と異なり、西側からそれほど挑発的な動きととられる恐れがないためだという。
情報筋のひとりによれば、中国共産党指導部はロシアからの支援要請にどう応じるかについて全員が合意しているわけではない。2人の当局者は、中国側に経済的な影響を避けたいとの願望があるため、ロシアへの支援の意欲は限定的なものになる可能性があると述べた。これとは別に当局者らからは、習近平(シーチンピン)国家主席について、ウクライナでの戦争に動じることなく、北大西洋条約機構(NATO)の同盟関係が再び活性化しても自信を失ってはいないとの見方が出ている。