イーロン・マスク氏、ツイッター株9.2%を取得
ニューヨーク(CNN Business) 米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が最近になってツイッターの株式の9.2%を取得していたことがわかった。当局への提出書類で明らかになった。マスク氏は今回の株式取得でツイッターの筆頭株主となった。
ツイッターの株価は、マスク氏の株式取得の報道を受け、初期の取引で22%急騰した。マスク氏の持ち分の価格は1日の終値で換算すると29億ドル(約3500億円)。4日の株価急騰後の価格で換算すると35億ドルとなる。
マスク氏は提出書類のなかでツイッター株取得の目的やツイッターに対する計画を明らかにしていない。しかし、マスク氏はかつて、ツイッターの指針に対して批判する著名人のひとりだった。マスク氏は先月、新しいソーシャルメディアのプラットフォームを作り出すことを「真剣に考える」と述べていた。
マスク氏は3月のツイッターへの投稿で、「ツイッターが事実上の公共広場の役割を果たしていることを前提とすると、言論の自由の原則が守られないことは、民主主義を根底から揺るがしている。何をすべきか?」と述べていた。
投資家は企業の株式を5%以上購入すると米証券取引委員会(SEC)に報告して取得を明らかにする必要がある。ウォール街の見方からすると10%未満の保有率は「受動的」とみなされるものの、今回の株式取得は、マスク氏が、ツイッターがどのように運営されるかについて、より積極的な役割を果たそうとしようとしていること示唆している可能性がある。こうしたことも、他の投資家にツイッター株の購入を促して株価が上昇した要因のひとつだ。
ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリストのダン・アイブス氏は、マスク氏が積極的に動いてツイッターに変化をもたらそうとしているとの見方を示した。今回の株式取得は、ツイッターの取締役会や経営陣に協議を始めさせるための「威嚇射撃」だと指摘した。
アイブス氏は、マスク氏をはじめ他の誰にとっても競争力のある新しいプラットフォームを一から作り始めようとするのは現実的でない可能性があると指摘。そのため、マスク氏にとっては、ツイッター自身に慣行を変えさせようとすることが、より理にかなっているとの見方を示した。