英、中国製監視カメラに規制措置 「機密に関係する」場所への設置を禁止
香港(CNN Business) 英国政府は26日までに、中国の大手監視カメラメーカー、ハイクビジョンの手掛ける製品について、「機密に関係する」場所での使用を禁止する規制を発表した。これを受け同社は、英国の国家安全保障に脅威を及ぼすとの主張を否定する見解を示している。
24日に発表された今回の規制により、英国の官庁は中国の国家情報法の影響下にある企業の技術を導入することができなくなる。同法は中国の市民や組織に対し、国の諜報(ちょうほう)及び安全保障業務に協力することを求めている。
CNN Businessに宛てた25日の声明で、ハイクビジョンは同社を国家安全保障に対する脅威とみなすことについて「全くの虚偽」と主張。英国の当局者らと「緊急に」連絡を取り、今回の決定について把握したいと述べた。また事前に英国政府と協議し、自社の事業で誤解があったとみられる点を解決しようとしていたことも明らかにした。
その上で、同社がエンドユーザーの動画データにアクセスすることはできず、データを第三者に送信することもできないとした。またエンドユーザーのデータベースの管理や、英国でのクラウドストレージの販売も行っていないと述べた。
英国議会への24日の声明で内閣府のダウデン府長は、保安上の検証を行った結果、各省庁に対して国家情報法の影響下にある企業の機器設置を停止するよう指示が与えられたことを明らかにした。
ダウデン氏は英国に対する脅威やこれらのシステムの性能、接続性の向上に言及したものの、それ以上の具体的な説明は行わなかった。
各省庁に対しては、当該の機器が機密に関係する場所に設置されている場合、予定されているアップグレードを待つのではなく撤去、交換を検討するようにとの勧告もなされた。このほか機密に関係しないとされる場所についても同様の措置を講じるべきかどうか、各省庁が検討を行う可能性があると、ダウデン氏は付け加えた。
今回の規制の数カ月前、英国の国会議員らはハイクビジョンともう1つの中国企業、浙江大華技術(ダーファ)のカメラ技術を禁止するよう要求していた。その際議員らは、両社の技術が新疆ウイグル自治区での人権侵害を可能にしているとの見方に言及した。
米国は2019年、人権に関する同様の主張を念頭にハイクビジョンをはじめとする複数の中国企業に対して、米国の技術の輸入を禁止する措置を取った。