仮想通貨130億円相当が盗まれた事件、米FBIが北朝鮮を非難
ワシントン(CNN) 米連邦捜査局(FBI)は、北朝鮮政府とつながりのあるハッカー集団が昨年6月、米カリフォルニア州の企業から1億ドル(約130億円)相当の仮想通貨を盗み出したと発表した。
FBIの23日の発表によると、北朝鮮の工作員が今月、昨年6月に盗んだ資金のうち6000万ドルあまりのマネーロンダリング(資金洗浄)を行った。FBIはこの6000万ドルの「一部」が凍結されたとしているが、具体的な額は明らかにしていない。
米政府は、北朝鮮が盗んだ資金を核開発や弾道兵器開発のために利用することを危惧している。国連によると、北朝鮮のハッカー集団は仮想通貨取引所に対するハッキングを繰り返し、ここ数年で数十億ドル相当を盗み出したとされる。
昨年6月のハッキングでは、カリフォルニア州の仮想通貨企業ハーモニーが運営する「ブリッジ」が標的とされた。ブリッジは暗号資産を移動させるためのプログラム。
ハッキングに加え、北朝鮮国籍と思われる人物が他国籍の人物を装って暗号資産関連企業の求人に応募し、北朝鮮に送金しているとして、米政府機関が警戒を促していた。CNNの調査報道では、暗号資産関連の起業家少なくとも1人が、そうとは知らないまま北朝鮮の技術者に数万ドルを支払っていたことが分かった。
昨年は仮想通過の価値が大幅に下落する中でも、北朝鮮の関与が疑われる仮想通過のハッキングが続いた。FBIは昨年4月、北朝鮮政府を後ろ盾とするハッカー集団が、大手ゲーム会社から6億ドルあまりを盗み出したと発表していた。