世界最大の航空機、ＭＳシミュレーターで再び空に　ウクライナ侵攻で破壊

（ＣＮＮ） ロシアのウクライナ侵攻で破壊された世界最大の商用航空機、アントノフＡｎ２２５が米マイクロソフトのゲーム「フライトシミュレーター」で再び空を飛んだ。

同ゲームはこれまでもバーチャル上で多くの歴史的な航空機を再現してきたが、今回は少し特別だ。１９．９９ドル（約２７３０円）のアドオンから得られた収益は全て、Ａｎ２２５を再建するアントノフ社の取り組みに充てられる。

Ａｎ２２５はウクライナ語で「夢」を意味する「ムリーヤ」の愛称で知られる。

全長約８４メートル、６基のエンジンを搭載する巨大な同機は１９８０年代にソ連のスペースシャトルを運ぶ目的で建設された。Ａｎ２２５の完成機はこの１機のみだった。

「フライトシミュレーター」のゲーム画面上に登場したアントノフ

その後は、ボーイング７４７の２倍の積載量を誇る世界最大の貨物輸送機として活躍。翼幅は約８９メートルと、これまでに稼働した航空機で最も長く、最大積載量２５０トンの機体は歴史上最も重い。

Ａｎ２２５は２０２２年２月、キーウ近郊のホストメルにある空港で破壊された。しかし昨年１１月、製造メーカーが再建プロジェクトの始動を確認。アントノフ社は飛行再開にかかる費用を５億ユーロ（約７２０億円）以上と見積もっている。