AIがもたらす「絶滅リスク」に警鐘、業界トップ結集の声明発表
ワシントン(CNN) 人工知能(AI)業界を主導する学者や有名人が30日、AIによる世界絶滅のリスクの軽減を訴える声明を発表した。AIによる絶滅が起きうるという脅威への対応を世界の最優先課題とすべきだと論じている。
声明はセンター・フォー・AI・セーフティーが発表し、「AIによる絶滅リスクの軽減は、パンデミック(感染症の世界的大流行)や核戦争といった社会的スケールのリスクと並び、世界的な優先課題としなければならない」と指摘。野放し状態のAIがもたらす危険に関して幅広い懸念に脚光を当てた。
声明には生成AI「チャットGPT」を開発したオープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)や、AIの「ゴッドファーザー」と呼ばれるジェフリー・ヒントン氏、グーグル傘下のAI企業幹部や研究者、マイクロソフトのケビン・スコット最高技術責任者(CTO)、暗号・情報セキュリティー研究のパイオニアとして知られるブルース・シュナイアー氏、環境保護活動家のビル・マッキベン氏、ミュージシャンのグライムスなどが署名している。
センター・フォー・AI・セーフティーのダン・ヘンドリックス代表は30日、ツイッターへの投稿で、声明は英ケンブリッジ大学のAI教授、デービッド・クルーガー氏が提案したと説明。これはアルゴリズムによる偏見や偽情報といったAIがもたらす他のリスクへの対応を妨げるものではないとした。
その上で、今回の声明は、原子力科学者が「自分たちが生み出したまさにその技術について警告を発している」のに等しいと指摘した。