中国、米国提案のシンガポールでの国防相会談を拒否
(CNN) 米国が中国に対し、オースティン米国防長官と李尚福・中国国防相の会談を提案したが、中国側はこれを拒否したことが分かった。米国防総省が30日までに発表した。
米国側は、来月シンガポールで開催されるアジア安全保障会議「シャングリラ・ダイアローグ(シャングリラ対話)」の場で、両氏が会談することを提案していた。
国防総省の報道官は声明で、中国には今月初めに断られたが、今後も中国の人民解放軍(PLA)と複数のレベルで開かれた対話を目指す姿勢に変わりはないと述べた。
これに対し、在米中国大使館は提案の真意に疑問を投げかけ、米国は中国の当局者や機関、企業に制裁を科し続けていると指摘した。
李氏自身もトランプ前政権時代の2018年、ロシアからの武器購入をめぐって制裁の対象になった。
大使館の声明は同氏への制裁には直接言及せず、中国は常に違法で一方的な制裁措置に断固反対してきたと強調。米国は制裁をただちに解除して、対話の環境を整えるべきだと主張した。
中国側が会談を拒否したことは、米紙ウォールストリート・ジャーナルが最初に報じた。
オースティン氏は今年、CNNとのインタビューで、中国の国防相とは「何カ月も」話していないと述べていた。米国防当局者によると、中国は21年以降、国防総省が十数回提案した高官の対話や、10回近い作業部会の設定などを、すべて拒否している。