欧米捜査機関、感染コンピューターのネットワークを解体 世界中で詐欺に利用

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詐欺行為に使われていた感染コンピューターの巨大ネットワークが解体された/Adobe Stock

詐欺行為に使われていた感染コンピューターの巨大ネットワークが解体された/Adobe Stock

(CNN) 米連邦捜査局(FBI)と欧州の捜査機関は29日、世界中で巨額の詐欺行為に使われていた感染コンピューターの巨大ネットワークを解体させたと発表した。

米司法省は犯行グループの暗号通貨800万ドル(約11億7000万円)相当を差し押さえ、世界各地のコンピューターに感染していた不正なソフトウェアを削除したと発表。感染件数は米国で約20万件、世界では70万件としている。

司法省によると、ロシア語圏の犯行グループは「Qakbot」と呼ばれる不正なソフトウェアを利用して、世界中の医療機関や政府機関に重大な損害を発生させていた。今回の摘発にはフランス、ドイツ、オランダ、英国の捜査機関が協力した。

米国務省は、Qakbotに関与した人物に関する情報に、最大で1000万ドル(約15億円)の賞金を支払うと発表した。

FBIが摘発したのはボットネットと呼ばれる感染コンピューターのネットワークで、さまざまな詐欺やサイバー攻撃に利用されていた。そうした安上がりな攻撃では、学校や医療機関などが機能不全に追い込まれることもある。

Qakbotは15年ほど前から存在していたが、ここ数年でサイバー攻撃に利用されるケースが増えたことからFBIが重点捜査を行っていた。そうした捜査が実って先週、FBIが制御するコンピューターサーバーを通じてボットネットのインターネットトラフィックをリダイレクトさせることに成功。一部の感染コンピューターに指令を出し、不正なソフトウェアをアンインストールした。

Qakbotは被害者を脅して身代金を要求するランサムウェア攻撃にも利用され、米国内では電力会社や防衛会社、食品流通会社などが被害に遭っていた。

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