ビットコイン、史上最高値を記録 暗号資産に主流マネー流入
ニューヨーク(CNN) 暗号資産(仮想通貨)のビットコインが4日の取引で史上最高値を付けた。暗号資産のエコシステム全体の将来性が疑問視される状況につながった2年以上の停滞を払拭(ふっしょく)した。
ビットコインは世界初のデジタル通貨で、規模の面でもずば抜けている。この日の取引で一時6万8791ドルを付け、2021年11月10日に記録した以前の最高値である6万8789ドルを上回った。
ビットコインはここ数カ月、米規制当局がビットコイン現物に連動する上場投資信託(ETF)を承認したことが追い風となって高騰している。当局の承認は従来型の投資家がビットコインをポートフォリオに組み込む呼び水になった。
ETFの承認には暗号資産会社の長年のロビー活動が必要だった。規制当局の挙げるETF申請の拒否理由について裁判所が「恣意(しい)的で気まぐれ」との判断を示したことを受け、米証券取引委員会(SEC)は不本意ながら承認を出した。
ビットコイン現物の時価にリアルタイムで連動する「スポット」ETFの最初の11本は今年1月に取引が始まった。
米ブルームバーグ通信によると、そのわずか1カ月後、ビットコインETFは420億ドル(約6兆3200億円)以上の純流入を記録した。
ETFは複数の対象資産(資産バスケット)に連動する投資ツールだが、株式のように取引される。ビットコインETFの魅力の一端は、仮想通貨交換所でデジタルウォレットを開設しなくても、通常の証券会社を通じてビットコインに連動した投資をできることにある。
ビットコインに代表される暗号資産業界の評判は相次ぐ後ろ向きな報道で打撃を受けた。具体的には交換所や貸し出し業者の経営破たん、価格の乱高下、暗合資産業界で時の人となっていたサム・バンクマン・フリード被告が起訴され昨年11月に有罪評決を受けたことなどが挙げられる。
ビットコインは全暗号資産の流通量の半分以上を占める。調査会社コインマーケットキャップによると、過去1年の上昇幅は200%あまりに上るという。