米アップル、EV開発を中止か 報道
ロンドン(CNN) 複数のメディアの報道によると、米アップルは10年間にわたって進めていた電気自動車(EV)の開発を断念した。自動車業界の変革につながる可能性も一部で指摘されていたプロジェクトだが、中止になったようだ。
このプロジェクトは社内で「プロジェクト・タイタン」と呼ばれていた。開発中止の決定について最初に報じた米ブルームバーグ通信によると、プロジェクトに関わる従業員の多くは人工知能(AI)部門に異動になる。CNNはアップルにコメントを求めている。
今回の報道はEV販売が期待外れの結果に終わり、複数の主要自動車メーカーが投資撤回と価格引き下げに踏み切る中で浮上した。一方、AIは勢いを増す。今回報じられたアップルのリソースシフトは、マイクロソフトやグーグルなどAI技術で先行する競合との差を埋める一助になる可能性がある。
英国を拠点とする投資プラットフォーム、ハーグリーブス・ランズダウンの幹部スザンナ・ストリーター氏は「AI関係のあらゆるものに熱狂が集まる中、投資家のEV熱は薄れており、巨大IT企業はトレンドを追っている」と指摘する。
アップルは長年うわさされているEV開発計画を正式に認めたことはないものの、この10年間、EVに本腰を入れていることをうかがわせる動きを取っていた。
アップルは少なくとも2014年から自動車メーカーの幹部を雇い入れており、17年4月にはカリフォルニア州当局から自動運転車の試験許可を取得した。その2年後、自動運転車を手掛ける新興企業ドライブ・エーアイを買収。21年には独自動車大手BMWのEV開発を主導していたベテラン社員を採用した。