バフェット氏の投資会社、アップル株を一部売却
ニューヨーク(CNN) 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが2023年10~12月期にアップル株を1000万株売却したことが分かった。これは同社が保有するアップル株の約1%に当たる。
アップルはバークシャーの主要保有銘柄で、保険や鉄道、エネルギー事業と並ぶ「ビッグ4」の一つとして知られる。バフェット氏は、このビッグ4がバークシャーの価値の主要なけん引役になっていると語る。
だがバークシャーは14日、証券取引委員会(SEC)に届け出た書類の中で、アップルの持ち高をやや減らしたことを明らかにした。
バフェット氏は株式を長期保有する手法で知られているだけに、今回の売却は注目される。バフェット氏は「ある株を10年間保有する気がないなら、10分間保有することすら考えない方がいい」と述べたこともある。
バークシャーは依然としてアップル株を9億500万株保有しており、時価総額は約1740億ドル(約26兆1260億円)に上る。これはアップル株全体の6%、バークシャーのポートフォリオ全体の5分の1に当たる。
多くの投資家はバークシャーのポートフォリオの成功に倣おうと、バフェット氏の市場での動向を注視しており、それを模倣するケースも多い。
バークシャーがアップルへの投資を始めたのは2016年。アップル株の持ち高を減らすのは今回が初めてではなく、20年後半には約110億ドル相当を売却した。これについてバフェット氏は、後の株主会合で「おそらく間違いだった」と認めている。
アップルの株価は15日午前の取引で約1.2%下落。一方、バークシャー株は0.7%上昇した。
アップルは不透明な経済環境の中で端末の売り上げが減速し、四半期連続の減収にあえいでいたが、23年10~12月期には前年同期比で増収に転じた。ただ、製品の売り上げは上向いたものの、重要となる中華圏での収入は減少。競争激化がアップルの重しになっている兆候とみられる。